続いて目を覚ましたひまわりと一緒に朝食を食べていた時だった。

「何もなかったからいいだろ」

そう言った陣内に、
「何もないからと言って許す訳ないだろ、不純過ぎるのもいいところだ」

藤堂は言い返した。

彼の口調はいつものように冷静だが、怒りは丸出しである。

藤堂は陣内にコーヒーを差し出した。

陣内はカップに口をつけると、
「――うっ…」

舌を出してしかめっ面をした。

「藤堂、甘過ぎる…」

「寝ぼけた頭にはいい薬だろ?」

ニヤリと挑発するように笑った藤堂に、陣内はあきらめたと言うように砂糖がたくさん入れられたコーヒーを口にした。

「陣内さんって、甘いものがお嫌いなんですか?」

ひまわりがホットケーキを頬張りながら聞いてきた。