放課後の日課となっている、昇降口での時間を決めない待ち合わせ。
こんなに余裕のない気持ちで迎えるのは初めてだ。
「待った?」
にこやかに笑うユウキに、俺は顔をそむけながら否定の言葉を口にした。
待った、なんて口が裂けても言えるわけない。
そんな心を見透かすように、ユウキは小さく微笑んだ。
ユウキの家につくまで、さっぱり何を話したのか覚えていない。
でもユウキも言葉少なかったし、俺を茶化すこともなかったから、案外ユウキも上の空だったのかもしれない。
パタンと小さくドアの閉められる音がした。
ユウキの部屋は、昨夜のままなのか、カーテンが開いていた。
ユウキは静かにカーテンを閉めると、遠慮がちに「触ってもいい……?」と訊いてきた。



