「不毛な事は、お互い止めよう。
頼子は何も心配しなくて良い」

「…いや、この関係自体が不毛だと」

「大丈夫。俺は、裏切らないよ。
つまり、一晩かけてそれが言いたかったんだ」

ホントかよ。
スッキリしたかっただけじゃない?

ジトと睨んだ私に、中鉢は真顔で恐ろしい事を言った。

「わかんなかったなら、もう一回やるか」

「遠慮しときます」

私が、一晩かけてわかったのは。

抱きしめられると素直になってしまうという、どうしようもない自分の弱みだけでした。