「信じられないよ!あんな若いだけの女の、どこが良いんだと思う!?
先生の方が色気あるでしょ!?」

「よくわかんない、私…」

五木さんってイケメンが、「ゴキちゃん」って呼んでる、お気に入りの可愛い子だよね。

あのちょっと、頭足りない感じの…。

何か欠けた者同士、気が合うんじゃないかなぁ。

「それでね。泣きながらここに戻ろうとしたらね、廊下で中鉢くんに会ったの。
あ、こっちの方が良いんだった!って思いだしてぇ」

やっぱり呼んだのかよ!?

「何でそんな事を…。
酷いよ、戸川ちゃん……。言わないって約束したのに…」

どんな鈍感な奴でも、具合悪い時に保健の先生に「来てあげて♪」なんて言われたら、好意持たれてるの知られてる、ってわかるっての!!

「何も言ってないよ? 
ヨリちゃんが具合悪くて寝てる、って言っただけ。
誰か友達来てるの?って聞くから、付き添いの子は戻っちゃった、って言っただけ」

ほらぁ…!
中鉢もむっちゃ警戒してるじゃんー!

「先生は前園くんが来なくて残念だけど、それはまた、別の機会によろしくねっ」