「文句を言わずに行くにゃ。大事だから持たせてるにゃ。」 カジが葉瑠に向けた人差し指には、可愛いピンクの肉球が付いていた。 その指で水槽を軽く叩いた。 「私の出番ですね」 一体この亀は何者なのだろうか。ジャンプして外に出てくる亀は見たことがない。 『亀がジャンプとか、誰かに見られたらどうしようとか、思わないのかな…』 カウンターの上からかすかに見える水槽の一部。心配をしてはみたが、店主がこれでは、注意してもあまり意味が無さそうだ。 深く考えるのは止めた。