廊下に出ると同時に莉子は彼女に話しかけた。 [よかった、あなたも一緒に出てくれて。一人だと、心細いもの…] [あたしもよ。] 彼女の返答があまりにも冷たかったので莉子は次の言葉が出てこなかった。 ───"あなた″って他人行儀? [ね。なんて呼べばいい?] […真子。] 彼女はよほど機嫌が悪くなることがあったのか全く別人のように話した。