[あれ…?] 帰りのHRの最中、担任の福田先生が本棚を見て目を細めた。 […あそこに置いてた人形、誰か何処かに移しましたか?] 先生が指をさす。 ───そいえば… 朝は、あった気がする。 だが今、そこには何もない。 つい先ほどまではいたことを示すかのように人形の形に周りにほこりがあった。 […え?あの人形、先生が持ってきたのかよ?幼稚園児の忘れものかと思ったぜ~っ] 大きな声で、田中君が言う。