おにんぎょさん




[そう、かもね。]


一瞬、彼女は引きつった顔を見せた。


[どうしたの?顔色、悪いよ?]


彼女の顔は夕陽に照らされているというのに真っ青なのがよく分かった。



[大丈夫、大丈夫だから…っ]

顔を近づけてきた莉子を追い払うように彼女は顔を離した。