「まなみ?早くしねぇと遅れるぞ?」
ドアの向こうから聞こえる龍樹の声。


怒っていても私には愛しく聞こえる。


「もう少しだけ待って?」

私はドアの向こうの龍樹に言う。


着替えてるから外で待っててよ。
そう言って外に出てもらったのはいいが
どうしても外に出られない。


早く龍樹と一緒に色んなとこに行きたいのに、
私は心の準備ができていない。





龍樹が好きだと自覚して会うのは初めてなのだ………