どうせ撮影どころではない。当分の間は休憩になるだろう。

「わかった」

あたしはうなずいて、立ち上がろうとする翼さんのもとに歩み寄った。

「歩けますか」

「大丈夫よ」

翼さんは笑顔で答えたが、その顔は真っ青だ。

それはそうだろう。

あたしと湯月くんは翼さんをはさみ込む様にして、スタジオから外へ連れ出した。