【ララー25】

部屋で1人
焼き芋を食べる小春…


なんか…

いつもの2人の空間が…

妙に広く感じる…



こだまする
テレビの笑い声が、
逆に虚しく聞こえた。



先輩…



気付くと、
小春は芋の上に
ポタポタと涙を流していた。



先輩…!



今日もからかわれ、
あの細い指で
グシャグシャと
頭を撫でてくると
思っていたのに…



先輩…!



小春は
アパートを飛び出した!

向かうはララの実家!



電車を乗り継ぎ、

実家近くの田舎駅に
辿り着く。



そこから
懸命に小春は走りだした



先輩がいなきゃ…

アタシ…!!



すると、その道の途中…



「春?」



ふといつもの声で
呼び止められた春。



偶然にもララに出会った!



「アンタ…
ここで何してんの?」



「せ、先輩…!?
お母さんは…?」



「ああ、
ただの盲腸だったって。
ホント焦ったわ~

もう帰るとこよ」



帰る…?


アパートに…?



それを聞いて
春は地面にへたれこんだ。



うっ…うっ…
良かった…



泣き出す春を見て
全てを察したララは、
頭をポンと撫でた。


「バカね…
私はどこにも行かないわよ。

さあ、帰ろ。
お土産あるしね」



頭をクシャッとする
ララに対し
小春は涙をふきながら答えた



「うん!」



こうして2人は
仲良く自分達の家へと
帰りましたとさ。



めでたしめでたし。









「…先輩。
ずいぶん豪華な
お土産ですね。

私の為に
こんないいんですか?」



「ああ。いいのよ。

前にこっそり春の下着を
販売したら意外に売れたから
その見返りよ」



……


やっぱり、
早く出てってください…









   ―ENDー

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