春うララ

【小春ー5】


ウキウキ♪
ルンルン♪








「これから遠出ですね★
どのくらいで着くかな~
片道二時間くらいなら
我慢できますよ!」







「ん…いや
もう着いたわよ」






「へ?」







ララ先輩は公園を指差し

言っていた。







「テーマパークって…
ここ近所の桂木公園じゃ
ないですか!」







ここはこの町一番の
大きさを誇る
公園なものの、

テーマパークに比べれば

大豪邸と犬小屋
みたいなものである。







「先輩!

ちゃんと夢のある
テーマパークに
連れてってください!」







「何言ってんのよ。
この世に夢など
ありゃしないわ。

これが
現在テーマパークよ。

ほら、あそこご覧なさい」








ララ先輩は公園中を
見回すように
説明しだした。







「まずあれ。
この昼間からスーツ姿で
ブランコに乗る
ハゲ親父。
きっとリストラに合い、
家族に内緒で
暇を潰してるのが、
ミッキーマウスより
愛くるしいわ。


次にあれ。
中年のサラリーマンと
女子高生。
どう見ても親子には
見えない。
そんな間違い探しも
ウォーリーを探せより
楽しめるわ。


それにあれ。
砂場で子供を
遊ばせているけど、
その隣で
お互いの母親が
名門私立の幼稚園に
出したなど自慢し合い、
熱烈な母親同士
意地の張り合いが、
トムとジェリーより
熱い闘いになってるわ。



そしてほら。
ダックもいるじゃない
ドナルドダック。

工業油に汚染されて、
死んで浮いてるけど」







「そんな夢のない
テーマパークは
嫌です!!」







春はララに必死に訴えた