「ネコ専務シリーズ」が午後7時台にテレ
ビアニメ化することが決まって、しばらく
経ったある日のこと。

アニメスタッフと激論した末、なんとか
意志を押し通した僕は、2人のアニメ
スタッフとともに、都内の某所に赴いて
いた。

出されたお茶飲みながら、緊張して人を
待つ僕。同行してくれた男女のスタッフと
話しているのも落ち着かない。

「ちょっとトイレに・・」

一言言って部屋を出た僕は、同じ階にある
男子トイレに入り、鏡を見て髪や服装を
チェックしてみる。

鏡の中の自分の顔を見る。10年前よりは
ちょっと落ちたかもしれないが、それでも
まあ美男子だ。しかも目がいつもより輝い
ている。これから会う人への、期待の
ために。