一体何千キロの遠距離恋愛だったのだろうか。
 一度だけ会った。
 幸せな時間だった。

 高校を卒業したてで、車の免許は無い。
 遠出は出来なかったが、数えられないほど触れ合った。

 美形ではない。
 どちらかと言えばかわいい系で外見は普通。
 それでも彼女にとっては果てしなく格好良かった。

 駅での別れでは、公衆の面前でキスをした。
 幸せだった分、切なさも溢れ出た。

 その後暫くして連絡が途絶えた。
 自然消滅だったのか。
 何かあったわけではないと思いたい。
 電話をかける勇気も無くなった。

 やっとPHSが普及し始め、電波の届くところではどこでも会話が出来るようになった。
 しかし、いつの間にか番号も変わっていて、出会ったチャット場所は閉鎖された。

 何年過ぎた頃だろうか。
 思い出したように検索サイトで星の光の名前を打ち込む。

 一つのブログサイトへ辿り着いた。
 間違いなく彼だった。