ガラガラ、と音のした方を見ると、久しぶりに見た美海の顔があった。 「お、美海おはよー」 「おはよー。」 それだけ言って、自分の席について机に突っ伏した。 美海は気まぐれだ。 学校に来るのも、朝起きたときの気分次第らしい。 「今日は機嫌良かったわけ?」 「んー…ビミョー。」 こんなときもある。 こんな変わった性格をしているからか、クラスのみんなは美海のことを『気まぐれガール』と呼ぶ。 本人に向かって言うわけではないが。