息が上がる。 こんなに近い距離なのに…。 彼女の姿が近づく度に益々ドキドキしてくる。 「吉野さーーんッ!」 今、いなくなったら困る。 「吉野さん!!」 いなくなったら困るんだ… 「吉野さーーんッ!」 彼女をそこにつなぎ止める為に、何度も名前を叫んだ。 このチャンスを逃したら、彼女は… 昼間のアキラたちとの会話が蘇る。 『吉野めっちゃキレーになったよな…』 『オレ、お近づきになりてぇー!』 俺はものスゴく焦っていた。 ものすごく。