もちろん私達は離れたくなかったし、駆け落ちをしようとまで考えていた。 けれども、まだ幼い私達は無力で呆気なく双方の親にバレてしまう。 会いたい時に会えないけど、今の時代ケータイがあるからいつでも連絡を取り合える。 そう諭され、私達は駆け落ちを諦めた。 中3の一年間は、本当にあっという間に時間が過ぎていった。 優輝が引っ越す前の日、私達は朝早くから会っていた。 一緒に居られるのは今日が最後。 今度いつ会えるかなんてわからない。 トイレに行くのさえ惜しいほど、片時も離れたくなかった。