「大輝? 私は、私は……。ごめんなさい! 記憶が、おかしくなってて……。それで……」




思い出した。

大輝。

彼の名前は大輝だ。

私がずっと、好きだった人。

でも、ずっと、ずっと、伝えられなかった。

それを今、私の記憶を戻す為に、言ってくれた。

嬉しい。




「よ、よかった。記憶、が、戻って……」




大輝は微笑みながらそう言うと、動かなくなって、床に倒れた。

床を見ると、血の水溜りできていた。




「イヤ! イヤ!! イヤぁぁぁーーーー!!!!」




私は叫んだ。

そして、それを見て笑う、リーノイの顔があった。

私も、ショックのせいで、気を失ってしまった。

だから、そのあとどうなったのかは、次の日まで分からなかった。