「オーケー」

「分かった」

今回はエイヤも乗っている。

「ケンカしないようにねー」

カナコは無用な心配をしている。



リンを一歩一歩追い詰める三人。

じりじり距離が縮まっていく。

リンを部屋の隅に追い込むには一分もかからなかった。



「もう一度警告する!お前は包囲されている!!」

「大人しく投降した方が身のためよ」

「だ、だからこれはダメです」

そんなこと言われても。

「……それを聞いて、見たくならない奴はいない」

「エイヤの言う通りだ」

「だーだー」

妙な連帯感がでるオレたち。



「リンさんすっごい困ってるよー」

「ははは」

三年二人も楽しんでいるようだ。

火種はあんたらなんだがな。



「うう……」

後ろに下がれないリン。

彼我の距離はもはや無意味だ。

そしてそれがゼロになるのも時間の問題。

「観念しろよ」

あと1メートル。

……終わりだ!





「……っ!!」

「な……!?」

リンは大きく腕を振りかぶり、……投げた!

オレ、サヤ、エイヤの頭上をファイルが通り抜ける。

その向こうにいるのは……。

「部長!?」

サヤが叫んだ。

「リン君!任された!」

「部長はこっちの味方じゃないのか!?」

「何を言っているのかね?ワタシは常に……リン君の味方だよ!!」