「起きろーナオキー」
「ん……?ああ、藤沢?」
気がつくと……学校前。
オレの肩を叩いているのは……クラスメートの藤沢だ。
そういえば寝てたのか、オレ。
「藤沢、オレは一人で起きられる男だと言っただろ?」
「ナオキ、そう言ってキミはこの前終点まで乗っていったじゃないか」
「違う違う。ちゃんと学校前で起きただろ。……バスの進行方向が逆だったけど」
「終点まで行って戻って来たんじゃないかあ!!」
そうなるかもな。
藤沢と共にバスから降りる。
同時、爽やかな風が吹き抜けた。
気分がいい。
……これも登校するときだけだが。
ああ、授業は本当につらい……。
今からでも鬱になる……。
しかも月曜日だぜ?
ふざけているだろ?
何がふざけているかはわからないが。
たくさんの生徒たちが校門を抜ける。
朝から……朝だから元気がない。
みんなかったりぃって顔してる。
それはオレも同じだった。
「あ」
藤沢が何か思い出したのか、自分の手をたたく。
「そういえばナオキ」
「なんだよ」
「部活、どうする?」
「入らないに決まってるだろ、そんなの」
すると藤沢は、思いもかけない言葉を口にした。
「確か、部活は絶対入らないといけなかったよ?」
「なんだ、それ?」
そんなこと、聞いてない。



