「た、助けてくれ!!」
そいつが懇願する。
だが、オレはこう思う。
「ルッキンざまあ」
ざまを見ろ、という意味だ。
藤沢をバカにしたからこうなるんだ。
オレはそいつを見下す。
「こんな奴、ほっていこうぜ」
オレは踵を返そうとした、が。
「助けなきゃ!!」
藤沢が言った。
……お前はお人よしだな。
「バカにされて、悔しくないのか」
オレは藤沢の目を見つめる。
「……それでも、仲間だから」
……そうか。
当の本人が言うのなら、仕方ない。
「――引き上げるぞ、手伝え」
オレは、そいつの手を取り、他の連中がオレの体を引っ張った。
そして、なんとかそいつを持ち上げた。
「……ありがとう。それで、すまん」
「いいんだよ。わかってくれれば」
藤沢は、そいつを許した。
オレたちは協力しなければいけない。
それが、藤沢の考える仲間なのだろう。
藤沢の考え通りかもしれないな。
「さて、冗談はさておき」
「仕込み!?さっきの仕込み!?」
「悪い悪い。昨日あまりにもお前が寝るのが早かったもんでな」
ただ顔に落書きするのでは面白くない。
オレたちはそんなことを画策していたわけだ。
「それで、ちゃんと帰れるの?」
安心しろ。
「道の迷ったのは予定外だった」
「ダメじゃん!」



