それからの話の流れで、リンとその子は一緒にお昼を食べる事になったのだが。
もちろん食堂は満席。
「どうするんだよ」
空くまで待つか……。
しかし、食堂内を満たすこのにおいは……カレー!
食欲をそそるスパイシーな香り。
気分が悪いのも吹っ飛んでしまった。
「おーい」
呼び声。
その主は……サヤだ。
夕べ、今朝と同じ席に座っていた。
「あんたたち遅すぎー」
見ると、オレたちの分、席が空けられている。
……こんなときだけ頼りになるな。
オレたちは普段どおりに座るわけにはいけない。
今回はリンの連れがいるからな。
オレは適当に椅子をかっぱらってきて、机の横に付けた。
そして、そこに座る。
「ありがとう」
その子が言ってくれた。
「礼を言われることじゃないさ」
リンに友達ができることを、オレは少し嬉しく思っているのかもしれない。
まあ、変な話だが。
まだたどたどしく話す二人は、ほほえましかった。
リンに言わせれば、余計なお世話なんだろうけど。
「どうしてこういうところで食べるイカリングはおいしいんだろう……」
そのことに藤沢がため息を吐く。
「さくさくしてて……いくつでもいけそう」
確かに。
「……ホワイトリング」
「ぶっ……!」
エイヤの発言に、思わず噴き出してしまった二人。



