短い夜も明け、日が昇る。
こんな山の中でもそれは変わりないようだ。
カーテンの隙間からもれる光がそれを伝えてくれた。
「……んん」
凝った体を伸ばす。
朝か。
「……んううう」
妙に間延びした声が聞こえる。
藤沢だ。
丁度いい。
「藤沢……今何時?」
オレは自分のケータイを見るのがメンドクサイ。
自分の下のほうでひっそりとシーツが動く音がする。
「そうね、だいたいねえー」
突っ込むべきかどうか悩んだが眠いのでやめておく。
「……六時」
……早いな。
体を起こす。
二段ベッドから降りようかと思ったが、あまりにも狭いのでやめた。
ベッドの上に座ったままぼうっとする。
朝冷えがオレの意識を確かにしてくれるのを待つ。
しかし、頭に白いもやがかかったみたいな感覚。
……少し痛みもある。
「藤沢……頭が痛い」
「……昨日はお楽しみだったからねえ」
藤沢、それはちょっと語弊がある。
眠いので突っ込まないが。
「夜更かししすぎなんだよ。いつまで起きてたの?」
「メンドクサイからいちいち時間を見ていない」
多分寝落ちだが。