それで、一年生四人は『くるりん』がいる職員室に向かっていた。
三年二人とは解散した。
顧問とわざわざ顔を合わす必要がないとかで、ついて来てくれなかった。
「よろしくねー、ええと……」
「リンです」
「オレはナオキ」
「よろしくねー」
「……」
エイヤは相変わらず、といった感じ。
オレは気にしないが。
オレが部活に出るのは今週一週間だけだからな。
それからは関係ない。
「あたしは二組だけど、何組?」
「私は三組です」
ん?
「リン、オレと一緒じゃん。……気付かなかった」
オレも三組だ。
「そうですね。私も気付きませんでした」
リンは大人しい方だと思う。
いかにも本好き、みたいな。
だから、まだお互い知らなかったのだろう。
「俺は二組」
エイヤは淡々と言った。
確か、ここが職員室だったよな。
「なんか……緊張するねっ!」
サヤは一人でテンション上げる。
大人しいリン。やる気のないオレ。なんかむすっとしているエイヤ。
その三人は特に反応を示さなかった。
「失礼します」
ほら、リンなんか軽くスルーしてる。
扉を開け、ぞろぞろと中に入った。



