「あたり?」


「え……?」


「心の声」



わたしの耳に近づいて話す咲坂さんの声に、胸の奥がドキッと反応する。



違う、違う! 
安藤さんに近づきたいだなんて、そんな……。



「ち、違いますっ」


首をブンブンと振ったわたしに、咲坂さんはにっこりと笑う。


「そんな否定しなくてもいいのに」



あっ……

今、なんか胸の奥を見透かされたような。

自分でもよくわかってないのに……



「それ、楓の制服?」

「え? はい、そうです。返そうと思って」


安藤さんの制服を少し持ち上げると、咲坂さんが「ふ~ん」と小さく顎を揺らした。



咲坂さん??

その反応は……?