「‥‥あ、潰れてる」
え?
ポツリと呟いた安藤さんの低い声。
彼の視線の先に目を向けると、
大きな手の中にある焼きそばパンの袋が破れ、パンが潰れてた。
「あっ、あの、すみません!!」
どうしよう‥‥わたしのせいだ。
安藤さんから離れて深く頭を下げたわたしに、美穂ちゃんたちの視線が刺さった。
「べつに良いよ」
「いえっ、今新しいパンを買ってきます」
「ホントいいって。コレ食えるし」
ほとんど表情を変えることなくその場から歩き出した安藤さん。
これ以上言うとしつこくなる気がして、わたしは黙った。
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