「なるほど。
ところで、どうして嘘だと判ったんだ?」


「それは、悪いとは判ってますが、彼の携帯を見てしまったんです。
メールや履歴から彼の言う事が嘘だと判って・・・。
問い詰めると、しばらくはシラを切っていますが、最後は嘘だと認めるパターンの繰り返しなんです。
彼は、面倒くさくなるくらいなら嘘を吐くタイプの人間なんじゃないかと思います。」


「ふむ。それで真理さんは今後どうしたいと思う?」


「彼の事は大好きだけど、今のまま彼を信じられないのに一緒にいてもいいのか疑問なんです。
それに、私に隠すようにコソコソとメールや履歴を消す彼も、私を信用してないんだと思います。

お互い信用していない関係でいる事がすごく淋しいんです。

私は、彼が本当にヤマシイ気持ちがないのならチャンと説明して向かい合って欲しいんです。
でも彼の行動も態度も何も変わらないので、私が彼を疑う気持ちばかりがどんどん大きくなる感じで・・・。
もう、どうしていいか判りません。」


「なるほど。それは困ったね。
ところで、誰かに相談はしたのかい?」


「はい。
友人に相談したら、
『自分が彼の事を信用していないのに、彼から信用して欲しいっていうのは間違ってる』
って言われました。
『相手に求めるだけじゃなくて、自分が彼の事を信用すればいいだけだ』と。

判ってるんですけど、どうしてそれが出来ないのか自分でも分らないんです。

別の友人は、『私が彼に執着しすぎてるんじゃないか』って。
『一度距離を置くとか、私が他の趣味や好きなことを見つけて、
あまり彼の事を考えすぎないようにしたらどうか。』って言われました。

でも、やっぱり私は彼の事が好きだし、離れたくありません。
私にも趣味はありますけど、彼の事を考えるとあまり夢中にはなれないし・・・。

1日の大半を彼と同じ場所で過ごしてますから、彼の事を気にしないわけにはいかないんです。」


「うん、真理さんの気持ちはよく判る。
それに、友人達の言う事も一理あるな。
他には?」