「酷いこと言いますね。あの女子」

私は一瞬体を震わせた

その後、声をする方を見ると、同じ部活の山田健がいた。


「……どうして…ここに?」


「僕は君に会いたかった。ただそれだけだ」

時々おかしなことを言う少年だとは思っていたが、ここまでくると精神が参ってて、頭のネジ一本外れたのではないかと心配になってくる


「今、こいつ変な奴だなって思ったでしょ?」

「……はい。思いました…すみません…」


なぜ私が思ったことがわかる


「言っときますが、僕は本気です」


ああ…そういうこと、ね。
それなら前にも同じ様なことがあったっけ。

罰ゲーム。


大方、猿渡先輩とゲームをし、負けた罰が私を落とすこと。


いや、待てよ。猿渡先輩がそんなことするわけがないか。

あの人は一応常識がある人だから


じゃあ、クラスメートかの誰かと。


「気持ちだけ……」


一応オブラートに言ったつもりだ。


「あ、僕フラれちゃいました?あはは」

と軽い口調で言う。

やっぱり、罰ゲームだったか。

「私……少し行かなきゃいけない所が…ありますから」


そう言うと、席を立ち、行く当てもないが、教室を出ていった。