「それは私たちも同じだよ。自分の息子なのに何も気づいてやれなかった。そんな自分が憎くて、悔しくて堪らなかった…っ。
でも、だからっと言っていつまでも立ち止まってても…知聡の魂は報われないんじゃないかって…そう思ったんだよ…」








報われない…。




そう…なの?





私が…前に進むことで…あんたは報われるのかな…?











それから私は、課長に手をひかれ、墓地庭園の中へと足を踏み入れた。









一歩一歩、知聡に近づいていく。








そして前を行く、おじさんおばさんが足を止めた。












きれいな墓石に彫られた長倉家の文字。