「どうしたいか…か。わかったよ、由香」 「わかったらさっさと行ってくるのね。もうここには来ないでよ」 「あぁ。…じゃあな、由香」 「ちょっと待ちなさい。一つだけ、あんたに言いたいことがあるの」 バシッと。 立ち去ろうと背を向けた俺の腕を力強く掴んで、そして言った。 「あたし、あんたのことが好きだったわ」 「俺も、お前のことが好きだった」 由香の表情が和らぎ、すっと腕を離した。