「―で、それが…何?」



「……ううん。何でもないよ…。じゃあ僕、そろそろ帰るね。稽古つけてくれてありがと」







うん。



まぁ別にお礼言われるようなことしてないんだけど。





稽古っていうより一方的過ぎてイジメに近かったし…。






手加減しない主義だからな私。











「あ、知聡、おじさんおばさんに昨日はご馳走様でしたって伝えといて」



「うん、わかった。言っておくね」



「よろしく~。そんじゃあね、知聡」



「うん。すーちゃん…さよなら」









さっきと同じように微笑みながら私に別れを告げ、知聡は帰って行った。