「え?またあったの?」 「そうなの。これで苺蘭(イチラン)学園だけでも15件目」 呟きながら撫子は険しい表情をする。 秋も深まった10月。 進路をどうしようか考え始めた高校2年のある日。 私は生徒会室に呼び出しをくらっていた。 別に私は校則に違反するようなことは何一つしていない……とは言い難いけど。 生徒会書記を務める親友・撫子の頼みで生徒会室に赴いていた。