「ったく…。あいつはいつまで自分の殻に閉じこもってるつもりなんだよ…?」






って男が呟くもんだからさ。




事情を知ってるあたしにしてみれば一言言ってやりたくもなるじゃない。





だからあたしは。










「その殻を外から叩いてやんのがあなたの役目なんじゃない?」





と言い放ちかっこよく颯爽と店を後にする――ハズだった。





けども。











「ちょいとお前さん!!食い逃げは許さんぞ!!」







ち…。



店のおやっさんに見つかってしまった。





つくづく命清と関わるとロクなことがない。







でもま、一応、あいつの幸せぐらいは祈っておいてやろう。




昔の馴染みだしね。