後ろで課長が叫んでいるのがかすかに聞こえたけれど。 それどころじゃなかった。 私、私…なんで!? なんで課長の名前なんか呼んだりしたの!? これじゃあまるで。 まるで私が竹中課長のこと――。 ううん。 違う。 違う…っ!! この気持ちは、課長へのものじゃない…っ!! 私だって、私だって課長とおんなじなんだもの。 課長が私と由香さんを重ねているように、私だって課長と知聡を重ねてるんだ。