「ねぇ穂積、アイツって…誰。もしかして私と同じ中学出身?」

「いや、違う。あ!そ~だ、結愛ちょっと頼まれてくんねぇ?」

廊下を歩いてると、穂積がふと立ち止まる。

…も~。

ちーちゃんも穂積も、人の話ちゃんと聞かないよね。

自分の話ばっか。






「先生にレポート提出しなきゃだった。職員室までコレ持ってって。私、先に門行ってる」

パシリじゃん…まぁ、いーけどぉ。

「いーよぉ。じゃあ後でね」

ちょこっと膨れて返事すると、穂積がフフっと笑う。

「な~んてね。パシリだよなー。やっぱ結愛に頼むの悪いから、先校門行って待ってな」

「えっ!?それ困るよ…。だって、穂積の友達なんでしょ?」

「いーから、いーから。アイツ時間にうるさいんだって。ホラ、行けっ!」

行けって

…これまた犬みたいなんですがー。





穂積に背中を押され、歩き出す。

「じゃあ行って来ま~す。門の所にいるの?」

「いるいる」

「どんな子?」

「行けばわかるから。じゃっ」

行けばわかる?