千景くんは幼なじみ

私の方から、ギューと千景を抱きしめると、千景も抱きしめ返してくれた。

「…んだよ。珍しっ」

「千景…私、寿太郎くんの事何とも思ってないよ?すごいとは思うけど、何か違う。

私は…ずっとずっと

ちーちゃんだけが好きだった」

見上げれば

とびきりの優しい笑顔。








「へっへー。知ってるっつの」

え?







「さっきの弱音は、何ぃ?」

「一応な、聞いてみたかっただけ」

そーなんだ。

「もぉ」

「あ…そぉだ。これ、アイツにもらった。自分には、もう必要ねーからって」

千景の手には

…一粒のチョコ。







うわ。

寿太郎くん、食べずに持ってたんだ?

「何かわかんねーけど、仲直りの印なんだと。やっぱ、アイツ天然だよなっ」

そう言って、千景は…チョコをポケットにしまった。