それを困った顔で見つめる和奏くん。

「…穂積は、可愛いよ。気づかないヤツがバカなんじゃん」

「可愛いくないっ。結愛にもひどい事したし…性格も最悪だっ。こんな私…本当にヤだ。

何で…こんな負けず嫌いなんだろ。結愛は大切な友達だったのに、千景くんの事考えるとあんな事してしまった」

「負けず嫌いが、穂積のいいトコだし。こうやって、泣いちゃうトコも…オレからしたら…可愛い」

和奏くん、頑張れっ!

泣いてる穂積が、潤んだ瞳で和奏くんを見ている。

「そんな事ない…」

「穂積は…何でそんな千景くんにこだわんの?大した男じゃないと思うけどなぁ」

ぷっ。

思わず吹き出す私に、千景がコツンと軽く私の頭を小突く。

…ごめんなさぁい。

千景に目配せすると、笑みを浮かべ、また和奏くんを見ていた。

「だってっ!ジャージ姿の私見て…女だってわかったんだ。そんな風に見られてるって…思ったら。…嬉しくって」

ポッと穂積の頬が赤らむ。

「…へぇ」

和奏くん、深呼吸をすると…立ち上がって穂積の前に立つ。