千景くんは幼なじみ

「…やっぱり何か喋ってぇ」

「は?どっちだよ」

沈黙…耐えられないよぉ。ちーちゃんの目、ドキドキする。

…そうだ。

「今日梓と会った時…どうして知らないって言ったの?」

私がそう言うと、ちーちゃんは一瞬怯んだ様子を見せる。

「う…。それはさ、ワタルの元カノってわかったし。その、何だ?去年の事、結愛にバラされたら…ヤだなーってな」

「梓はそんな子じゃないよ!?」

「んなもん知らねーし。顔見た瞬間、気が動転してさー。とりあえず追いかけて、口封じ…」

「口封じ!?」

ちーちゃん、ヒャハッて笑う。

口封じって…

何したのぉ?

「そ。花火大会の日の事、結愛には言わないでくれ…って。変な想像すんなよ?それだけを言いに行ったんだぜ。

すぐ結愛んトコ戻るつもりだったのにさー…あの子、突然泣き出したから」

「やだっ、ちーちゃん梓に乱暴に言ったんだ!?」

ちーちゃんの手を振りほどこうとすると、強めの力で壁に押さえつけられる。

「違う。聞けって…。今日ワタルも来るから、あいつに対しても、会っても知らないフリしてくれって言った。そしたら…泣いた」