千景くんは幼なじみ

「もー。やめてぇ、みんな見てるし」

「…ヤだ」

やだって、何!?

ちーちゃん、ちょっと腕を緩めてくれたと思ったら、私の肩をグッと下に押さえつける。

そして、二人でその場にしゃがみこんだ。

「な…何なの?」

「人から見えんのが、ヤなんだろ?だったら、これなら見えねーじゃん」

確かに…しゃがんだから、展望台の人たちからはもう見えない。

でもここって行き止まりだし、誰かが曲がって来たら、丸見えなんですけどー。





「結愛、さっき迷路に迷い込んだ子、あれ…オレのツレの元カノ」

「…知ってる」

「へ!?」

ちーちゃんに、カマかけてやるんだ。

本当は知らなかったけど、知ってるって言ってやった。

案の定、ちーちゃんは驚いていた。

そして、ちょっとマズそうな顔をしてる。

…やっぱりー。何かやましいコトがあるんだよね?

だから、さっき梓を責めていた…と。

そうでしょ?ちーちゃん。