中学に入ると、ピッチャーからは外れオレは違うポジションになった。

だから気付いてねぇかと思って、中学ん時のあの試合で

最後に声かけに行ったんだよな…。






そしたら、アイツは。

…全く覚えてなかった。







そんな事があったんだ?すごい接戦だったんだね。

…って、

まるで他人事のように、言われた。







あれだけの接戦も、里田からしたら…たくさんある中の、たった一回の普通の試合。

たまたまそん時オレの調子が良かっただけで、里田には何の記憶も残っていなかった。







ムカつくから、写メ撮ろうって言った。

アイツの携帯と、オレの携帯。

少しでもアイツの記憶の中に、オレを残してやろうと思った。

そしてオレは、

帰ってすぐに自分の携帯ん中の画像と…あの悔しさを消去した。







そのつもりだったのに。

野球も辞めて、オレん中から消し去りたかった。

なのに、何でまたオレの前に現れんだよ。




しかも…

今度は結愛で戦うのか?





って思うと…また負けそうで、

何とも言えない焦燥感に襲われた。