千景くんは幼なじみ

「…ちゃん。…結…ちゃん…」





ん…。

あれ?

ぽかぽかお日様が気持ち良すぎて、寝ちゃってたみたい。

目を開けると、

さっきまで見上げていた空の代わりに…懐かしい顔が見えた。










「結愛ちゃん、授業始まっちゃうよー」

そこには、久々に見たニコニコ笑顔の和奏くん。

…どーしてここに?

「…和奏くん?」

「毎日こんなトコで食べてんの?…寂しくない?」

和奏くんは、クリクリお目めをじっと私に向ける。

そして、目を細め…私の頭を、いつかみたいにナデナデしてくれた。








うっ…

優しくされたから?何か熱いものが込み上げきて涙が出そうになる。

グッとこらえていた私に、和奏くんが呟いた。

「…なんか、ごめんね。千景くんじゃなくて、結愛ちゃんを嫌な目に合わせちゃった」

「なんで?違うよ…。自業自得。穂積が怒るのも…無理ないよね。

友情より、千景くんをとった」