千景くんは幼なじみ

「結愛ちゃんさー、甘いよ。そんなの穂積に通用するワケないじゃん」

うわ。

和奏くんの、長い睫のクリクリお目めが私を捉える。

可愛いけど、パーツの整った顔はすごく綺麗で…ちょっと迫力。

和奏くんに肩を抱かれ、

私…何ドキドキしてるのー?






「結愛ちゃんは、こんな事されたら…千景くんじゃなくてもドキドキするだろ?」

「そっ…そんなの、当たり前っ!和奏くん、お願いだから…ちょっと離れてぇ」

ドキドキはしても、嬉しいのとは少し違う。できれば早く、この腕をほどいてほしい。

クラスの方を振り返ると、穂積はこっちを見ていなかった。

もし見てても、和奏くんがじゃれてるだけだと思う?

「穂積は、しねーの。何回かフザけてやってみたけど…全~然っ。

もぉさ、ちょっと諦めに近い。だからさ、穂積がもうちょっと大人になるの待とーかと思うんだよね。

きっと今オレの気持ちを伝えても…、いいモンもダメになる」

「そんな事…」

「今の結愛ちゃんと同じように、伝えるタイミングを間違えると…きっと穂積を失うなぁ」

和奏くんはボンヤリと窓の外を眺めていた。