「結愛の部屋、行こーぜぇ」

ちーちゃんはニヤニヤして、私の部屋へ入って行った。

「変なコト…しないでよねー」

「しねーしねぇ」

ニヤニヤ…何笑ってんのよ。

さっきまで、あんなに不機嫌だったくせに。





ちーちゃんはいつも通り私の机の所まで行き、イスに座る。

片足を立て、膝に顎を乗せる。

「…あのさー」

「何よぉ」

「オレ、テニス部入ろーかな」

「ふーん、入れば?」

何が言いたいのかわかんないよ。軽音入るだとか、やめたとか。

「入れば?って…えらく他人事だな」

「だってぇ…。ちーちゃんは先輩に従うんでしょ?瀬尾くんオススメの部活やればいーじゃん」





昼間の…

瀬尾くんの言葉を思い出した。





なんで野球やってたのか…って。





今日の寿太郎くんを見たら、同じスポーツやってた人だと思いたくもないよ。

ちーちゃんも…そう、なのかな。