「なぁ、もっかいあがっていー?」

「…えっ!?」

ちーちゃんは、私の手を握ったまま…ふわりと微笑む。

ちょっ…とぉ。

ドキドキさせるような事、言わないでよー。




「えっ?って…嬉しークセに。何、嫌がってるフリしてんの」

「嫌がってないよ!」

「じゃー、あがる」

うわ、しまった。

ここは、嘘でも嫌がってるフリした方が…良かったかも。

だって…

ちーちゃん、余裕タップリの表情で

私を見てる。








これって、ちょっとヤバい気がした。

私の心は…

多分、見透かされてる。







寿太郎くんと付き合わないって、ちーちゃんは、わかってる。

私が好きなのは…

嫌な事をどんなにされたって、ちーちゃん以外にいないんだって…

そんな簡単な事は、きっとちーちゃんはわかってるんだ。