千景くんは幼なじみ

「そーだよー。寿太郎のお姉ちゃん、里田穂積の親友だよー」

和奏くん、急に声を大きめにする。

…何故?




うわ。

気付くと、近くにいる女の子たちの鋭い視線が私に向いていた。

和奏くん…もしかして、ワザと?

「穂積のお気に入りだからね、丸ちゃん仲良くしてあげてね。じゃないと寿太郎も怒っちゃうから!」

何のアピールなのか…。

彼女たちに、私を攻撃するなっていう…作戦?





彼女たちの鋭い視線の中に、羨望の眼差しをいくつか発見。

私と仲良くなって、野球部メンバーとお知り合いになろうっていう子も

きっと出てくるよね。





「そっかー。よろしくなぁ。今から練習だから相手できなくてごめんなぁ。

ちょうど今日練習試合するしー、見てけば?」

丸ちゃんの言葉に、『やったー!試合だってぇ』って、女の子たちが盛り上がる。