千景くんは幼なじみ

学校の裏手にまわると、そこはグラウンド。

うわぁ…

すごっ!





うちの学校なんか、比べものにならないぐらいの広さのグラウンド。

「こっち、こっち!」

立ち止まろうとした私を、更に和奏くんが引っ張る。

「どこ行くのぉ?」

「あのね、あそこ」

和奏くんが指差したのは、道路を挟んだ場所にもう一つあるグラウンド。

すごっ!

まだあるんだぁ…。






そして、そこでは。

…やっぱり?

私の勘通り、野球部の人たちが、トレーニングをしていた。





力強いかけ声に、小気味よいバッティングの音。

一年生は今ランニング中だからぁ、残ってるのは上級生だよね。






「オレらは外から練習見てよーね。あの女の子たちと仲良くしちゃダメだよー。

結愛ちゃん、きっといいように利用されちゃうから」

利用?

和奏くんが指す方には、金網越しにキャーキャー言ってる女の子たちがいた。