千景くんは幼なじみ

「まだ帰らないのぉ~?」

もう帰れると思った私がバカだった。

「まだだよー。これからが、本気モードなんだけど。

結愛ちゃん、時間ないならここで終わりで…いいよ?」

寂しそうな表情の和奏くん。

よくこれだけ表情を変えれるもんだなーと、感心しちゃう。

演技派だね。

これを穂積への好きに、生かせばいーのにね。





今日帰ったとしても、また明日アレやってコレやってとか言われるだろーし

何かあるなら、今日でいっかぁ。

「はーい、行きまぁす」

「そー来なくっちゃ。行くよっ、結愛ちゃん」





和奏くんは私の手首を軽く持って、学校の裏手にまわっていく。

どこ…

行くんだろー。