千景くんは幼なじみ

途端、和奏くんがムッとした顔を私に突き出す。

「コロコロって、そんな風に言わないでよぉ!寿太郎は野球熱心だからさ、常に部活やトレーニング優先なんだよね。で、結局彼女の方が飽きちゃう。

勝手だよね、自分から近寄って来たくせにさぁ。ムカつくよ、あいつら…」

驚いた…。

和奏くんが、こんな風に怒るとは思わなかった。

「そっか、ごめんね。そんな言い方して…。今の彼女はどーなの?辛抱強い方?」

「さー?よくわかんない。でも彼女の場合、寿太郎が好きっていうより…」

そこまで喋って、和奏くんは口を濁す。





…ん?何でそこで黙るの?

気になるー。

「ま、くだらない話やめよっ。結愛ちゃんは、寿太郎と、今よりチョコっと仲良くしてあげてね。

ハイ、チョコあげるー。あ、コレは寿太郎の分」




和奏くんは、私の手にチョコをふた粒落とした。

「…ありがと」





てぇ。

あれっ!?

2つって…何で?