千景くんは幼なじみ

「好きでもないのに、とりあえず的な感じで男の方が声かけるらしーよ。

それでウマくいけばいいけどさ、ポイ捨てって言うかぁ…」

うわ…

そーなんだ。

さっき運動部の子たちが、私をジロジロ見ていたのを思い出し、少しゾッとした。



「え…と、じゃあ寿太郎くんは…」

「彼女、誰かに執拗に声かけられてたみたいでさ、ちょうど彼女と別れた所だったから、付き合ってあげたみたい」

「えー！そうなんだ」

「そ。優しくない？」

優しいっていうか…。

それって、どーなんだろ。

寿太郎くんはそれで、納得してるの？

あ、納得してないから。私に興味持ったのか。





「穂積は寿太郎の恋愛には無頓着だからね。ま～た彼女変わったな、ぐらいにしか思ってないよ」

「ふーん…。って、えぇっ？寿太郎くんそんなにコロコロ彼女変えてるの！？」

意外。

純情そうな顔して、意外とやるなぁ…。