千景くんは幼なじみ

「んじゃ、走って来ます！」

照れ隠しか、寿太郎くんはまた帽子を目深にかぶった。







走り去る寿太郎くんの背中を見送り、複雑な気持ちになる。





…これってどーなんだろ。

ちょっと

罪悪感が。







「結～愛、ちゃんっ」

私の隣にいつの間にか立つ和奏くん。

「あぁっ、和奏くん～…もしかして私の相手って…」

「あ、違うよー。でも、寿太郎でいーや。結愛ちゃんと仲良しみたいだし」

ニッコリ笑う和奏くん。

…ホントにぃ？







本当は最初から、寿太郎くんがターゲットだったんじゃないの？

だんだん和奏くんが、信じられなくなってきたんだケド。